11-1.jpg みなさん、こんにちは。今日はひな祭りですね。
実は、ひな祭りと呼ばれるようになったのは江戸時代あたりから。もともとは陰暦の3月上旬の巳の日の行事で、上巳の節句と呼ばれ、古代中国では上巳の節句に川で身を清めて災厄を祓う習慣があったそう。それが平安時代に日本へ伝わり、やがて川での禊が転じて、人の形をした紙を体にあてて穢れをうつし、川や海に流して年間の健康を祈る行事になったようです。これが現代にも伝わる「流しびな」の原型。そして、同時期に流行った「ひいな遊び」というお人形遊びと、人の形の紙を流す習慣が結びつき、ひな祭りになったといわれています。

ひな祭りは、桃の節句とも呼ばれます。このように呼ばれているのは、「桃の花が咲く季節」というのが理由ですが、そこには「百歳(ももとせ)まで長生きしたい」「邪気をはらって健康をもたらす、といわれる桃の木の力を取り入れて元気になりたい」などの思いも込められているようです。

このように古くから、毎日を健康に過ごすことは、多くの人々の願いでした。
その思いは、ひな祭りに食される食べ物にも表れています。

●ひし餅
下から緑・白・赤(地方によっては5色や7色のものもあるそう)の順にひし形のもちを重ねたもの。もちの色は、春が近づき芽生え始めた若葉の上に残る雪とつぼみが膨らみ始めた桃の花をあらわし、厄や穢れをはらって健康になる、という意味が込められています。
注目すべきは、緑のもちにはヨモギ、白のもちにはひしの実、赤のもちにはくちなしの果実が入っていること。ヨモギ、ひしの実、くちなしの果実は、いずれも抗酸化作用のある物質や食物繊維を含んでいるため、デトックス効果が期待でき、健康増進に役立ちます。体の中で悪さをする「厄」や「穢れ」をはらうには、ぴったりの食べ物。どうやら昔の人は、健康のために何を食べればよいかをよく知っていたようです。

●甘酒
もともとは甘酒ではなく、桃の花を酒に浸した桃花酒が飲まれていました。それが江戸時代中期になり、蒸したもち米にみりん(もしくは米麹と焼酎)を混ぜたものを約1ヶ月熟成させてつくられる白酒が、甘くて女性でも飲みやすいということから好んで飲まれるようになったのです。そして、子どもでも飲めるということで、白酒の代替品として利用されるようになったのが、アルコール度数が1%未満の甘酒。原料となる米を米麹で発酵させているので、でんぷんが体に吸収しやすいブドウ糖に分解されているうえ、代謝を活発にしてくれるビタミンB群が豊富。すべての必須アミノ酸も含まれています。夏バテ予防の飲み物として利用されてきただけあって、健康に役立つ栄養素がたっぷり。
健康を願うひな祭りに飲まれるようになったというのも納得です。

●はまぐり料理
はまぐりの2枚の貝殻は、もともと対になっていた貝殻以外とはぴったりと合うことがないため、夫婦和合や女性の貞節のシンボルとしてあつかわれ、結婚式の祝い膳にもよく登場します。ひな祭りにはまぐり料理が食べられるのは、これらの意味に加えて「よい伴侶にめぐり合えますように」という思いも込められているのだとか。栄養面では、貧血を予防するビタミンB12や鉄、骨粗しょう症やイライラの予防に効くカルシウムなどといった女性がより多く摂取したい栄養素が豊富です。
ちょうつがいがある二枚貝なら、どれでもはまぐりと同じくほかの貝とは合わないので、夫婦和合や女性の貞節のシンボルとなりそうな気がしますが、それらの中でもはまぐりが選ばれたのは、はまぐりに女性向けの栄養素が豊富だったからなのかもれません。

古くから伝わる食べ物のほとんどは、健康上何らかのメリットがあるものがほとんどです。とくに、お正月、節分、ひな祭り、などの節目節目で食べられる行事食は、その季節に応じた健康効果があります。自然の流れに沿った食事を行う、という長い歴史とともに培われた健康法。ぜひ古人の情緒ある習慣を学び、健康づくりに活かしたいものです。

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